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採用選考に続々導入される「AI(人工知能)」の現状とメリットとは
AI(人工知能)が採用選考の一部を担う動きが最近増えてきています。

2017年5月にソフトバンクがAI選考の導入を決め、最近ではサッポロHDもAI採用を実施すると報じられています。

サッポロHD 19年新卒採用の書類選考は人工知能が判定10/19(木) 14:58配信 日刊工業新聞電子版
サッポロHDによると18年入社内定者の場合、エントリー者6000人のうち、面接などに進んだのは3分の1以下の1800人。書類選考後はグループディスカッションや1次面接、最終面接など人間がチェックして判断する。

 AI導入で、書類選考にかかっていた約600時間を4割削減できるという。浮いた時間は合格者の面接などに活用することで「じっくり適性や才能などを調べられ、採用判断精度を高められる」(福原真弓取締役人事部長)としている。

出典:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171019-00010000-nkogyo-ind
また、自社採用ではなくナビサイト側でも、マイナビが人工知能を導入すると本日発表されています。

【就職情報サイト『マイナビ2019』 HR(人材)領域に特化したAIエンジンによる新たな企業検索サービス「納得できる企業研究」を開始】
関心があることや、やりたいことを自由にフリーテキストで入力し、学校名や学部名、志望業界や希望勤務地等を希望に応じて入力する事で、AIが学生の希望・属性にマッチする企業を紹介します。
『マイナビ2019』掲載データ(2万社以上)や過去アクセスデータ(4,000万件以上)、インターネット上のテキストデータ(2億行以上)の3つのビッグデータを学習することで、マッチング精度が向上し、さらに本サービス上のデータを新たに再学習していきます。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000819.000002955.html
【AI選考を実現するサービスを提供する企業事例】

・IBM(ワトソン)
ソフトバンクでの導入事例では、新卒者の総合職志望者用エントリーシートが対象となるようです。

ただし設問2つのうちAIが選考するのは1問だけで、残りの1問は人事担当者が判断する事になっているようです。AIは対象となる設問を3段階評価し、人事が書類選考可否の最終判断を行います。

導入初期ということもあってか、なるべく人の手を入れながら慎重に進めようという雰囲気が感じられますね。

・SAP
ドイツのIT企業SAP社が提供するAIソフト「Resume Matching」は、募集中の職種に対して送られてきたレジュメを応募者の能力・適性順にランク付けする事ができます。

こちらのソフトでも、完全に人工知能だけで合否を決めるケースは少なく、人工知能がスクリーニングした結果をもとに担当者が最終判断する事が多い模様。

・NEC
2016年にはNECが人事AIを開発し、一部の人材紹介会社が導入したことが明らかになっています。

これはどのような仕組みかというと、過去に入社試験を受けた候補者の履歴書とその合否結果を学習させて新規の候補者が提出した履歴書が合格者のパターンに近いのか、不合格者のパターンに近いかを判断するのです。

【発想自体は昔からあった】
この3社の事例を見る限り、大枠ではどれも同じスタンスのサービスだと言って良さそうです。

人工知能と銘打ってこそいないものの、同様の動きは一部の外資系企業やIT企業で昔から行われていました。
テキストやHTML形式で受信したレジュメを解析し、出現するキーワードによって採用ターゲットである可能性が高い候補者から面接に呼ぶという仕組みは以前から存在しています。

【今のところは書類選考程度】
AIが担当する採用業務は、現時点では書類選考がメインです。

実際、人間が介在した時も大体のパターンで「通していい人材かどうか」を判断しますのでやっている事はそんなに変わりません。

そもそも機械化すべき作業を人間が行っていたと考えるのが妥当です。

人事として書類選考を担当した事がある方の中には
「大量のエントリーシートを読むことになり、内容も似たような話が多いのでたくさん読んでいると申し訳ないが飽きてくる」
「読むべきエントリーシートが多ければ多いほど、判断する精度も下がってくる」
「内容面で似たり寄ったりだと結局学歴を見てしまう」
…と語る方もいらっしゃいます。

AIの精度が上がれば、未熟な担当者が見過ごしていた候補者をしっかり拾い上げてくれるようにもなるでしょう。

【メリットを享受するにはデータが必要】
注意点としては、これらの仕組みを利用するためにある程度の「採用事例の蓄積」が必要だという事が挙げられます。

活躍できる人材をAIに判別させたいとしても、そもそも過去に優秀な人材を採用した事がなければ「読み込ませるべき成功事例のデータ」が無いためAIに学習させる事が困難になります。

中小企業や新興企業の場合は読み込ませる「過去の候補者データ」自体が少ない可能性があり、大企業ほどメリットを享受しやすいと言えます。
また大企業であっても「これまで採用した事が無いタイプの人材」を採用する場合には、現状でAI活用は難しいと言って良いでしょう。

【面接などの業務を代行できる可能性は?】
今後、AIが書類選考以外の人事業務を行うようになる可能性もあります。

現時点で出てきているのは「面接の初期段階」の代行です。
AIが出した質問に対して求職者が回答し、その内容や声の抑揚、表情や仕草などを分析する仕組みが導入されているのです。

ウェブ面接を行うためのサービスも増えてきているので、それらの組み合わせでそういった人工知能の活用が今後進むかもしれませんね。
面接の代替というよりも、書類選考に付随する形で普及する可能性もあります。

また、就職サイト上でのスカウト/DM送信業務などを人工知能に任せるようなサービスも今後増えてくるのではないでしょうか。

【人事は創造的な仕事に専念】
書類選考における担当者の負荷が下がることで、人事担当者は別の仕事に専念することができます。

IBMも「空いた時間は、より創造的な仕事に費やすことができます」とツイートしてアピールしています。
ソフトバンクの事例では人事担当者の作業時間が75%程度軽減できると予想されているとのこと。

それを皮肉って「そもそも新卒採用プロセスが全く創造的ではない…」と批判する方もいるようですが、そうではありません。

新卒採用プロセスの中の非効率な部分を自動化するというのが
この話のキモで、新卒採用すべてが創造的ではないというのは的外れな意見だと言わざるを得ません。

企業と求職者のミスマッチを減らすために伝える事、入社してほしい求職者を引きつけるためにコミュニケーションを取る事など、人間の人事担当者がやるべき事はまだまだたくさんあるのです。

【求職者にとってもメリットはある】
学歴以外の記入内容までしっかり見ることは、
応募者の殺到する企業では大きな負担ですので前述のように現状では
学歴メインの書類選考が行われています。

こういったシステムが導入されることにより
「学歴で損しがちだが実は優秀な学生」が面接に進める可能性も高まるのではないでしょうか。

担当者の持つバイアスを排除することで、結果的に公平になる事が期待できます。

【人事担当者として生き残るには?】
一方で人事担当者が生き残っていくためには、AIに代替されない部分でバリューを出すことが重要になってきます。

ただ作業をこなすだけでなく、対面で候補者の惹き付けができたり、AIに何をやらせることで自社の人事が強化できるかを考えたりできる人材こそこれから人事担当者に求められる素養になってくるのではないでしょうか。

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