個人間融資 人生において病や困難はマイナスではない

個人間融資 人生において病や困難はマイナスではない
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湘南ベルマーレフットサルクラブに所属する久光重貴選手は、31歳のときに肺腺がんが見つかった。医師からは「根治は望めない」と言われたが、しかしそれから4年たった今も、久光は治療を続けながら現役フットサル選手であり続けている。「がんになったことはマイナスではない。がんのイメージを変えたい」と、講演活動にも取り組んでいる。そこにはどんな思いがあるのか。

今やがんは闇雲に恐れる病気ではない
久光の肺腺がんが見つかったのは4年前。Fリーグ(日本フットサルリーグ)開幕前のメディカルチェックでのことだった。すでにリンパ節に転移しており、手術も放射線治療もできない状態だった。そして不安と恐怖の中、抗がん剤による治療が始まる。

「最初は抗がん剤と聞いて、怖いイメージしかありませんでした。これからとてつもなくつらい日々が始まるんだと、不安でいっぱいでした。でも、実際に僕が体験した治療は、イメージしていたほどつらいものではありませんでした。もちろん、それなりのつらさはあります。でも今は副作用を抑える薬もたくさんあって、生活水準を下げずに治療を続けられるようになってきているんです」

久光が今、現役フットサル選手でいられるのも、そのような医療の進歩のおかげである。

「今やがんは闇雲に恐れる病気ではありません。普通の生活を送りながら治療ができる時代になっています。がんだからって、走れないわけではないし、ずっと寝ていなくてはいけないわけでもない。健康な人より早く死ぬとも限らない。実際、僕はがんと告知されてから4年以上、大好きなフットサルを続けていますからね」

医師からがんを告知されたとき、久光はあえて余命を聞かなかった。「余命○年」と分かれば、その先の夢や目標を持ちづらくなると思ったのだ。

「人は誰だって、いつかは必ず死にます。そして自分がいつ死ぬかは、誰だって分かりません。その点では、がん患者も健康な人も同じです。大事なことはいつ死ぬかではなく、未来の夢や目標に向かって、今という時間をいかに懸命に生きるかだと思うんです」

久光の夢は、言うまでもなくFリーグでの優勝である。その夢があるからこそ、治療にも前向きになれるのだ。

5年、10年とたてば、今より良い薬が開発される可能性だってある
久光は今、飲み薬と点滴の抗がん剤を併用した治療を行っている。「他のがん患者の役に立てれば」と、新薬の治験にも積極的に応じてきた。

「治療に前向きに取り組むか、ネガティブな思いで取り組むかで、結果もまったく変わってくると思うんです。5年、10年とたてば、さらに良い薬や治療法も開発されるはずです。希望を失わずに治療に取り組んでいれば、生き続けられる可能性は確実に増えていくと信じています」

久光は日本肺癌学会の肺がん医療向上委員会の広報大使も務めている。医療関係者向けのセミナーや市民公開講座で自身の体験を語り、患者の立場から医療関係者へ要望を伝えるなど、がん治療の向上に積極的に関わっている。

「今は患者を含め、医師、看護師、薬剤師などが一致団結してがんと闘うチーム医療の時代です。そのためには患者自身が医師任せにせず、自分でがんや治療法について学び、どういう治療をしていきたいのか、自分で方針を決める必要があります。医療スタッフとしっかりコミュニケーションを取り、信頼関係を結ぶことも大切です」

「また、同じがん患者さんとの交流も重要です。僕は入院したとき、あえて大部屋に入ったことで、他のがん患者さんから色んなことを教えてもらったり、励まし合ったりすることができました」

健康な人に対しては、検診による早期発見、保険による備えの重要性を訴える。

「検診によってがんが早く見つかれば、治療法の選択肢が増え、完治する可能性も高くなります。つらい治療を続けなくても済むかもしれません。また経済的な備えとして、保険に入っておくことも大切です。たいていの保険は加入してある程度の期間が経ってからでないとがんになっても保険金が支払われないので、早めに入っておくことをおすすめします」

「がん=死」「抗がん剤=つらい」というイメージを変えたい
治療とトレーニングの合間をぬい、久光は4年間で100以上の講演を行ってきた。「がん=死」「抗がん剤=つらい」というイメージを変えたい。そんな思いからだ。

「がんはいたずらに恐れる病気ではないことを、より多くの人に知ってほしいんです。僕自身、がんや抗がん剤に恐ろしいものというイメージをもっていたし、正しい知識もなかったので、最初は無闇に怯え、つらい思いをしました。同じような思いを他の人にはして欲しくないんです」

現役フットサル選手であり続けようとするのも、がんのことをより多くの人に知ってもらいたいからだ。

「僕がフットサル選手だからこそ注目もされ、多くの人にメッセージを伝えることができます。ピッチに立つことで、がんのイメージを変えることに貢献できる。そう思うからこそ、治療や体調管理、トレーニングにも励めます。僕は決して特別強い人間ではありません。そんな僕ががんに負けず、フットサル選手として活躍することで、がんになって落ち込んでいる人が『自分も頑張ろう』という気持ちになってもらえるとうれしいですね」

がんになった自分だからこそ、できることがある。そんな思いが、久光の活動、またがんと闘う原動力になっているのだ。

「31歳でがんを告知され、これから自分はどう生きていくべきか深く、真剣に考えました。その経験があったからこそ、今の僕がある。だからがんになったことは、僕の人生にとって決してマイナスではない。むしろがんになったからこそ得たものもたくさんあるんです」

人生の真の喜びとは、苦難に挑戦する中にこそある。久光は今、心からそう感じている。

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