個人間融資 コンサルタント 個人でも会社でも 大切なのは手順と数字(3)

今回の記事は「個人間融資 コンサルタント 個人でも会社でも 大切なのは手順と数字」です。

本を読んで1つでもわかれば、
よかったと思えばいい

その夜は、大平家の夕食に知見も加わっていた。

「昼間に広田さんが来てたよ」と親父が言った。

広田さんというのは、オレが子どもの頃からかわいがってもらっている親父の弟弟子だ。

「よく、動物園に遊びに連れて行ってもらったわよね」とお袋が言った。

「動物園?」動物園の意味がわからない知見は怪訝な表情をした。

広田さんは、オレを連れて行くとツキがあると言って、日曜日になるとよく府中競馬場に連れて行ってくれた。

「万馬券当てて、同じラジコンカーの色違いを3台買って、競走したことあったね」

「万馬券……ひょっとして競馬?」と目を白黒させる知見。

「そうそう」とオレ。

「でも、最近は頑張っていて、2店目を出すと言っていたよ」と親父。

「だから、できる応援はしておいたよ」

「できる応援って?」

「保証人になっちゃったのよ」心配そうなお袋。

「まあ、お互い持ちつ持たれつの仲間だから大丈夫だよ」

そして、親父は、話題を変えるように、オレが脇に置いていた3冊の本を見つけて手に取り、「ずいぶん難しそうな本を買ってきたな」と言った。

「理容室もやっぱり、経営戦略を考えないといけないしね」

「本なんて、何か1つでもわかったら、よかったと思って付き合わないと大変だぞ」

と親父は言った。新潟から大学進学のために上京し、苦学したものの学資が続かず理容師になった親父は読書好きで、お客さんがいないと本ばかり読んでいた。

「何か1つでもわかったら、よかったと思って1冊の本と付き合う」という考え方は親父の口から初めて聞いたが、いい考えだと思った。

全部理解しようとすると、ちょっとでもわからないことが出てきたらパニックになるけれど「1つでも」と思えばそうはならない。

時間を見つけては、たくさんの本を読んできた親父らしい読み方だった。

立三さんが言っていたことにも通じるところがある気がした。

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