琉球王国の貴重な品々 焼失か

 首里城の管理・運営を担う沖縄美ら島財団はこれまで、琉球王国に関連する数多くの美術工芸品を収蔵してきた。収蔵品の中には第18代琉球国王・尚育王(1813年~47年)の1838年の直筆の書がある。尚育王の子孫が保管していたところ2014年までに、同財団に寄贈された。琉球に滞在していた冊封使に対して尚育王が、唐の詩人、栄之門の七言絶句を書き、出来映えを見せたとされる。

 その他の収蔵品、中国人絵師の孫億(そんおく)が1697年に描いた絵画「花鳥図(三幅)」は琉球国王の執務室「書院」に飾られていたとみられる貴重な作品だ。孫億は琉球の絵師たちに技術を伝えた。19世紀前半につくられたとされる黄色地の紅型衣装は、中国産の上質な絹布に桜や梅、楓などを鮮やかに描いた打ち掛け。幾何学的な模様が特徴で、尚家資料の紅型衣装に匹敵するほど完成度が高いという。

 首里城公園の南殿と黄金御殿の特別展示室で開催中の「KUMIODORI300組踊展」では、組踊の舞台を彩ってきた衣装や小道具を展示していた。

 今回の火事で正殿、北殿など7棟が焼失した。美ら島財団はこれまで収蔵してきた美術工芸品の種類ごとの収蔵先や被害状況を明らかにしていないが、もし火災に遭っていれば琉球王国時代の貴重な文化遺産の多くが失われたことになる。

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